2020/09/15 11:43

当サイトで扱う商材や、一般的なサイン資材、日用品でよく聞かれる単語に、フィルムとシートがあります。
同じ意味のようにも感じますし、例えば近年は使われなくなった写真のフィルムなどのように、全く違う意味で使う場合もあるこの言葉。
今回は、プラスチックフィルムとプラスチックシートにおいて、その言葉の違いをご紹介します。



●規格の管轄によって、それぞれの定義が異なる

まず、日本工業規格 JISでの定義を確認してみましょう。
JISでは【包装用語】を規格として定めています。
さらに【JIS K 6900 プラスチック−用語】の中に、以下の記述があります。

【番号 2101】 プラスチックフィルム : 厚さが0.25 mm未満のプラスチックの膜状のもの。
【番号 2102】 プラスチックシート  : 厚さが0.25 mm以上のプラスチックの薄い板状のもの。

JISでは、厚みと硬度で定義しているようで、薄いものがフィルム、厚めで板状のものをシートと呼んでいるようです。

また、総務省の定める日本標準産業分類では、プラスチックフィルム製造業とプラスチックシート製造業を業種を分けて定義しています。

【1821 プラスチックフィルム製造業】
: 主としてプラスチック製のフィルムを押出し,カレンダーなどの成形加工により製造する事業所及び同製品の加工品を一貫して製造する事業所をいう。
フィルムとは厚さが0.2ミリメートル未満で軟質製のもの及び0.5ミリメートル未満で硬質製のものをいう。
【1822 プラスチックシート製造業】
: 主としてプラスチック製のシートを押出し,カレンダーなどの成形加工により製造する事業所及び同製品の加工品を一貫して製造する事業所をいう。
シートとは,厚さが0.2ミリメートル以上で軟質製のものをいう。

日本標準産業分類でも同じく厚みと硬度で定義しているようですが、薄いものがフィルム、厚めのものをシートと呼んでおり、
どちらも硬度については『軟質』としているようです。

●薄手のものをフィルム、厚手のものをシートと呼ぶのが一般的

厚みの数値基準は違えど、JISと総務省どちらも、フィルム:薄いもの、シート:厚めのもの という見解のようです。
一方、硬質か軟質かという違いは見解が異なっているようです。

私どものサイン業界では、薄いものをフィルム、厚めのものをシートと呼ぶケースが慣例となっています。
また、素材について、薄手のものはポリエステル系が採用され、厚手のものは塩ビ(軟質塩ビ)で生産されることが多いため、
業界的に、ポリエステル系素材のものをフィルム、塩ビ素材のものをシートと呼ぶ場合もあります。

いずれにせよ、(プラスチック)フィルムとシートの名称の違いは、その厚みによって決まると覚えておくと間違い無いでしょう。

●リケガードの2種類は、フィルムとシート??

当店で扱うリケガードは、2種類ございます。
用途に合わせた2種類の製品ですが、実はそれぞれ製品の素材が違います。

・リケガードKV210 : 主にポリエステルを基材としています。
・リケガードV : 主に塩化ビニール(塩ビ/PVC)を基材としています。

ポリエステル特にPETは、ペットボトルでもお馴染みのように、透明度や平滑性が高く、強度が強く、常温での伸縮に強い特徴があります。
塩ビは硬さを可逆剤の量で調整できるため、用途の幅が広い特徴がありますが、透明度や平滑性では劣ります。

リケガードKV210は、窓ガラスの飛散防止フィルムとして使われているフィルムに抗菌抗ウイルス機能を追加したもので、その透明度と強度、平滑性がメリットです。

リケガードVは、どなたでも貼りやすいように設計された抗菌抗ウイルス製品のため、軟質の塩ビ素材で作られております。柔らかいので多少の曲面にも追従し、糊面の縦横のスリット機構で貼りシワや空気残りを軽減します。



同じような商品でも、それぞれの用途や機能性を満たすために、異なる素材で作られている訳ですね。

●リケガード製品のご購入はこちらからどうぞ